ブランドデザイン : 株式会社折紙 / ORIGAMI INC. | 沖縄 – 東京

2023-02-10

ロゴデザインはランドスケープへ

ロゴデザインはブランドのコンセプトはもちろん事業戦略と一体的に検討されるべきものです。
事業戦略というと、いかにも難解で大袈裟な感じですが、
つまりは社会や世界の特定の領域に生存し続けるために
“どんなタイミングで”何を選択(評価・計画・行動)し何を選択しないのか、といったところです。

色・形の好みは誰にだってあるでしょうし(あるいは避けたいもの)
実際、好みだけで突っ走ってもらっても構わないのですが、この場合、
美的感覚や洞察力、確かな戦略眼やクリエイティビティが高度に統合されたような稀な人でない限り
好みだけでデビューしちゃったロゴはまず事業的に機能しません。
その理由は成分が色々と抜け落ちているからで、論理的に明快に説明が可能なものです。
(リテラシーが千差あるので長文省きますが)

ところで昨今のロゴデザインやデザイナーの仕事を眺めていると
実に優しく繊細で手間や工数の掛かったナチュラルな佇まいのロゴが多いですね。
あまりに“スンッ”とした清廉潔白さには結界が張られているようで、
穢れのあるおじさんは寄せ付けない感じです。世の中おじさんには「これでもかっ!」と世知辛いです。

明らかにトレンドだし時代の雰囲気といえばそれまでですが
ロゴやVI(それ以前のネーミングも)は、ブランドの最重要接点とひとつと言っても過ぎないし
安直にトレンドや雰囲気に多くが迎合してしまっている現状には素直に社会の劣化が心配になります。
短いライフサイクル前提か、相応の期間イメージを投下し続けられる潤沢な資金があればまぁ話しは別です。

ディスインフォメーションにオブラートされた事実の断片に釣られていながら、
今日も一日記憶や印象に残っているロゴなんて一体いくつありますか?
儚く移ろう人間や集団の意志・意識の空間に上らせてもらうにはどうあるべきでしょう。
賢明な読者の方ならお分かりですね。それが商業デザインの価値や価格の本質と言えます。
SDGs騒ぎに“スンッ”となる私ではございますが、
他方ロゴデザインは担当者を喜ばせるのみのミクロに囚われずに(だからディスカッション、ディレクション)
高い視座で長い時間軸で形而下・形而上のランドスケープに寄与することを目指すべき、とは思います。

結果、事業価値に寄与します。はい。

 

 

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