内容をスキップ
2025.11.14

ブランディング投資のメリットとデメリット 1/2

ブランディング投資のメリットとデメリット 1/2

ブランディングの会社が「不確実性の時代、今こそブランディングが必要!」などと訴求するのは、もちろんポジショントークを含みます。「ブランディング」という言葉でラベル化・細分化されたツールの類、あるいは総合的な経営と事業運用なのかはさておき、“中小零細企業がブランディングに投資する”という決断は、その必要性はどこかぼんやり感じつつも、より可視化され実効性があるように評価される投資(設備や出資のような分かりやすい投資)と比較した時、経営者や責任者が躊躇するのは当然と言えます。

こうした躊躇の要因と考えられるのは、大きくは投資対象が「見えるのか」「測定できるか」と言う暗黙の要請に収束されるでしょう。例外としては「ブランディングの必要性は理解しているが、その時機では無い」という“肌感”、または「ブランディングをナビゲートしてくれる決定的なパートナーが不在」と言った不足感に起因する理由もあるのかも知れません。設備投資の場合は物理的な有形資産(Asset)を生み出します。そしてその効果も極めて測定しやすいものです。自ずと意思決定や社内合意形成には強いエビデンスとなります。

一方、ブランディング投資は「認知」「第一想起」「好感」「信頼」「選択される力」「求心力」等の無形資産を社会の中に構築し続ける活動です。これらの無形資産は経営の社会活動におけるエコシステム構築に莫大な貢献をし得るものですが、即座に売り上げ向上に直結するものでは無いため、ROI(投資対効果)が数値的に掴みにくく、また、指し示すことが難しい側面があります。
中小零細企業の経営リソースは常に限定され、その制約も多いものです。日々の業務や作業に追われ、目先の数字を確保しなければならない中、ROIが不明瞭で測定しにくい活動への投資は、“一見合理的”な経営判断として後回しにされがちなのは妥当でしょう。

さらに、何らかのきっかけでブランディングに対し懐疑的な印象(特に演出に終始するかようなの空疎な印象)を持つに至った経営者にとっては、ブランディングの負のイメージが、これまでの自らの世界観やアイデンティティに挑戦するように感じられるため、無意識下で抵抗感や忌避感を拭えないのかも知れません。こうしたケースの躊躇は単なる「リソース不足」や「ROIの不明瞭さ」という財務的な問題に留まらず、経営者の成功体験や価値観から形成された認識とリンクする、文化的・心理的問題も孕んでいそうです。ORIGAMIはブランディングを「無条件に善であり万能」とする立場を取りません。投資である以上、そのメリットと同時に、投資コストと測定の難しさ、そしてブランディング投資の失敗やリスクをニュートラルにお伝えしたいと考えています。本稿は、中小零細企業経営者やマネジメント担当者にとってブランディング投資の是非を客観的に判断する材料となる事を目的としています。

2/2へ続く