ブランディングの現在地とこれから 1/2

ORIGAMIは“ブランドデザイン・ブランディング”を旗印とし2006年に始動しました。
当時は日本語の名詞や動詞をメタファーとしてコンセプトへ転換しアルファベット表記している会社名は全国的にも希少で、株式会社折紙(ORIGAMI)は何だか新しい存在として受け止められたように思い返します。
調査の限り当社以外に、“折紙“、“折り紙”、“ORIGAMI”なんていう会社名やサービス名称は存在しなかったのですが、現在では会社名やサービス名、プロダクト名として他所で時々見かける程には何ら珍しくもない名前になっています。
事業経験も浅く余裕も無い創業でしたので、この会社名の認知が分散希釈されない程度に保護しておく考えに至れなかった事は反省として、現在の事業やクライアントワークへ活かされています。
それはそうと、名詞や動詞、形容詞、副詞をメタファーとして、あるいは抽象化し、会社名やサービス名、プロダクト名、商品名に充てる手法はとても一般的になりました。
昨今、経営や事業において、コンセプトやパーパス、MVV、フィロソフィー等を重視し、これらを不可欠と位置付ける傾向がより強まっている風潮と無関係では無いと思います。
昭和や平成に見られた、“示し”の為に後付けされた社是や経営理念、経営者の思想や思惑をただ押し付けたようなマッチョな作文とはまったく異なる視界から(一方で世紀を超え、普遍的に支持される社是や経営理念が存在することは付け加えておきますね)、経営や事業を成立させたい、そうあるべきと志向する起業家やチーム、承継者が着実に増えています。
事業がもたらす価値の本質をエッセンスとして抽出しようとなるとネーミングは自ずと抽象化されます。さらに、事業の立ち上げから全社経営的なポートフォリオを視野に置く起業家やチームが育成されている事も寄与しています。複数の異なる事業を跨ぎ、経営全体が社会へ提示する意義を包含しようと臨むとき、エッセンスは結晶化されます。分かりすい例をあげると「凸版印刷」から“印刷”が外れ「TOPPAN」へと変容したことでしょうか。※これらには注意深い設計が必要になるのですが、また別稿で。
ブランディングはマーケティングを包含し、経営方針と経営戦略、事業開発にコミット、社内施策や組織デザインと協調しながらコミュニケーションデザイン・UXを実装、網羅的に経営・事業運用に伴走する。そのようなアプローチが随分と浸透、定着しつつあるように感じられます。戦略ファームがクリエイティブ・ブティックを傘下に、広告代理店が戦略ファームとエンジニアリング開発の会社を傘下に、と動いたここ数年のトレンドは、複雑で不透明な国際情勢や社会や事業環境に対して、もはや“旧来の問題解決”では太刀打ち出来ない危機的な要請があるからです。
「デザイン経営」という用語も、かなり訴求されるようになりました。ORIGAMIでは、ニュートラル(メタ的)でリアルな態度を“過激な程に”以って社会や事業環境、会社やステークホルダーを評価し、経営・事業側にフィードバックする事、そしてフィードバックが適切に反映されるための社内のマインド改革や制度設計・コミュニケーション運用、にあると考えています。つまりあらゆる前提を廃し、新たな問いを立て、経営や事業に然るべき変化を促し、その実現にコミットする事です。こうした態度や行動は“スクラップ&ビルド”とも紐づきますが、硬直した組織の内部から自発させる事がほとんど不可能な為、手始めに外部の力を取り入れ、段階を踏んで内部へと(オリジナルの処方で)インストールする方法が有効です。これを安直に”デザイナーの思考を取り入れる“等と矮小化されて拡まった末が現状。「デザイン経営」と検索してもAIに聞いてもスッキリする応えは得られない。分かったようでぼんやりした”説明や定義が氾濫していて、却って混乱を招いている印象です。
2/2へ続く